up

空想言語のデザインに向けて

空想神話のデザイン術 空想言語

空想神話を作るにあたって、どうしても必要なのが空想言語です。なにせ、神話が発生するにはその神話を発生させる人々、民族にコトバがなければいけません。せっかくなので、やはり基本的な部分から作っていきたいものです。

とはいえ、最初から現代で実用されている言語と同じレベルの完成度を持った言語を作ろうとするとあまりにも作業が大変です。なので、必要なところに絞っていきましょう。

さて、その必要なところとは何でしょう?この文脈では「神話を作ること」ですね。なので、神話を作れるレベルまで作ってしまえばよいことになります。 その神話も、現代語のように洗練された内容になっている必要はありません。実際のところ、古代の神話はかなり原始的な構文になっていて現代人が意訳によってなんとか読み解いているのが現状です。

なので、これから作る言語もまずはとても原始的なものでOKでしょう。

基本的な考え

言語を作るために必要不可欠なものはなんでしょう。

まず、思いつくのは語彙ですね。ある物が何であるかを識別する標識である名詞類、何らかの動作や活動を意味する動詞類、対象となるものの性質を表現する形容詞類はどうあっても必要となるでしょう。ただ、その数は現代ほどに多く取りそろえることはなく、神話を記述するに充分な語彙が備わっていれば問題なさそうですね。
ところで、語彙には代名詞、冠詞、接続詞といった文を構築するための要素も揃えなければなりません。ただ、この部分に関しては文法ルールにも影響を受けます。

次に、先に挙がった文法すなわち文を構築するためのルールについて考える必要があります。これがなかなかの難問で、なんとも非常に難しい。語彙に関しては、結局のところ数を揃えるという気合いの話になってきますが文法はそういうわけにもいきません。もちろん、原始的なものでもよいですがそれでも

そして、上記のコトバは実際に発音されないといけません。なのでそれぞれ「発音」も重要ですね。その言語で「どういった発音の仕組みを採用するか」といった点はその言語を大いに特徴付けるため、他の要素に並んで肝要です。
日本語は子音と母音は基本的に同時に発音される音節を中心にした言語ですが、英語などは子音と母音がある程度分離した音素を中心とした言語です。また、利用する母音の数や子音の数も言語によってまちまちです。
更にアクセントや強弱、リズムの組み方もそれぞれの言語で特徴があります。たとえば中国語では、そのアクセントやイントネーションによってそもそも別のコトバとして認識をすることになります。

最後に、そのコトバを表記するための「文字」を生み出なさければいけません。文字を最後に持ってきたのは意味があります。どの文明でも、基本的に文字は最後の発明されるものだからです。コトバ、声のみによる文化は存在しますがいまのところ文字だけの文化というは存在しません。なので、文字は最終的な生成物になります。制作のうえでは、文字ができるまで発音をアルファベットないしはカナで表記しておけばよいでしょう。

以上「語彙」+「文法」+「発音」+「表記」の基本的なところが整えば、神話を記述するために必要な言語が準備できるはずです。

最初は日本語システムと英語システムをアレンジ

言語の構造は多々ありますが、最初は身近なものをアレンジするのが効率的なのは間違いありません。なので、身近な本語と英語のシステムを最大限活用することにしましょう。

今回作る言語は、大まかにこのようなルールに則って構築するつもりです。

  • 発音システムは英語とほぼ同じものを採用する。すなわち、子音と母音は分離して表記および発音される。
  • 文字の表記システムも英語を踏襲する。26種類のアルファベットを音素文字として利用する。
  • 一部の名詞、たとえば特殊な固有名詞には表意文字を割り当てる。ただし、読みは一種類のみ。
  • ひとつの文字にひとつの音素を割り当てる。[a]は常に[a、日本語でいうとア]と読む。「エイ」と読ませることはない。同様に「i」も常に「イ」のような音で読む。この点は英語より日本語カナに近い。発音が苦しいものが出てくる恐れがあるか、単純化のためいったんはこの形で。
  • 文法はほぼ日本語を踏襲する。ただし、一部に日本語とは違った要素も含める。
  • 格の標識に、格助詞ではなく名詞の語尾変化を利用する。日本語を例に出すと、「私が=watashi ga」ではなく「-ga」という語尾を追加して「watashiga」という名詞に変わる。

とりあえず、このあたりをベースにしつつ実際に書きながら使いにくい部分は修正していく予定。格助詞ではなく格変化に近いルールを採用したのは、そのほうが詩を作る際にリズムを取りやすくなるだろうという仮説のためです。おかしかったら変更します。

これから語彙のリストを作ることになりますが、道程は果てしないので間に他の作業も挟みながら進めていきます。


このエントリーをはてなブックマークに追加

ご覧頂きありがとうございます!よろしければこの記事の紹介、拡散にご協力ください!

タグ[空想神話のデザイン術]の記事

オーブン陶芸粘土を使って楔形文字粘土版をつくる ~ 焼きあがり編 2013/10/23 14:51 枇々木聖
気候区分を学ぶ(1) : 気候が神話に与える影響を加味したい 2013/10/18 19:10 枇々木聖
領域と経路に抽象化した空想の世界地図モデル 2013/10/11 20:52 枇々木聖
空想神話作りのための世界シミュレータ設計 2013/10/07 17:52 枇々木聖
オーブン陶芸粘土を使って楔形文字粘土版をつくる ~ 下ごしらえ編 2013/07/19 19:56 枇々木聖
多くの神話は「声の文化」に生まれ、「文字の文化」によって死んだ 2013/07/12 17:11 枇々木聖
空想言語メモ 最初の一歩 2013/07/09 17:05 枇々木聖
実践 オリジナル楔形文字のつくりかた ビギナー編 2013/07/08 19:26 枇々木聖
空想言語のデザインに向けて 2013/07/06 22:26 枇々木聖
楔形文字を書く ~ リベンジ編 2013/07/05 18:21 枇々木聖

タグ[空想言語]の記事

空想言語メモ 最初の一歩 2013/07/09 17:05 枇々木聖
実践 オリジナル楔形文字のつくりかた ビギナー編 2013/07/08 19:26 枇々木聖
空想言語のデザインに向けて 2013/07/06 22:26 枇々木聖