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砒素(Arsenick) : 原典で辿る錬金術の歴史 講義レポート アラビア編(9)

錬金術


関連項目: 砒素 錬金術師ゲーベル

硫黄に続いて砒素に入ります。毒性が強いので取扱いに注意が必要な物質ですが、昔は様々な力や効用があると信じられていました。そのほとんどは間違った知識だったため、砒素中毒で亡くなったり健康を害してしまったりと問題のある物質でもありました。

【関連記事】
1:アラビアの錬金術事情
2:錬金術の思想とプネウマ
3:Magistery(自然変成力)
4:元素の分離とTincture
5:錬金術師Geber
6:金属の自然原理
7:金属と惑星
8:硫黄(Sulphur)


Jabir ibn Hayyan (8c) / Pseudo-Geber(13c)
from Of the Sum of Perfection : The First Book
The Third Part of this First Book: Of the Natural Principles, and their Effect.
Chapter 5 : Of Arsenick.

この章に書かれていること

  • 硫黄に似た霊妙で繊細な物質である
  • その性質は硫黄にほぼ通じる
  • しかし、一つの点において違いがある
  • 砒素は白のTinctureを容易に帯びる
  • その代わり、赤のTinctureを帯びるのは非常に難しい
  • 硫黄はその逆で、赤を帯びやすく白を帯びにくい
  • この術の本質ではないが、助けにはなるかもしれない

このような内容が書かれています。ほかの物質と比べるとあまり特筆すべきものがありません・・・。 赤のTinctureは錬金術の本質なのでそれを帯びないというのもマイナスですし。 実際のところ、砒素の存在がしっかりと確認されたのは13世紀らしいので、あまり書けることがないのかもしれません。


次回は水銀です。前述の通り、錬金術にとって極めて大事な物質になります。


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